初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「そんなに警戒しなくてもいいじゃん?俺、フツーの高校生だし」
ね?と着ている学ランをアピールしてくる。
〝宝条には気を付けておいたほうがいいよ
〝響の彼女って知られたのなら、特にね”
芹沢先輩の声が頭の中で響く。
忠告された通り、早くこの場所から去ったほうがいい。
そう直感的に思うのに、私をじっと見つめる冷酷な瞳から逃れられない。
「もしかして震えてる?何度も言うけど俺、ヤバいヤツじゃないよ?響クンのお友達だし?」
「……」
「いやぁ、久々に響クンと会ったんだけどね、知らなかったなぁ今もこんなに可愛い彼女がいるとかさ」
一歩一歩、私に近付いてくる宝条ってヒト。
まるで何か言いたげな雰囲気を出して、話しかけてくる。