初めての恋に溺れる人魚~my first love~
チャラ……?
一体、何の事を言っているのか私に見当がつく筈なんてない。
「何の―…ことですか?」
「俺もね、三年前はガキだったからさぁ、色々と月島にちょっかい出しちゃったなぁって」
その言い方は勿体ぶっていて、私の反応を愉しんでいるかの様に感じる。
「アイツ、もうピアノ弾かないの?」
「―…」
「クラシックなんて全然興味ないけどさぁ、アイツが弾いてるとこ、一度くらいは生で見たかったなぁ~なんて?」
クスクスと嫌味に笑いながら、宝条さんが言う。だけど、ピタリ笑みが止まる。