初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「あの頃を思い出すんだよねぇ……」
「あの頃……?」
「そう、三年位前かな。俺達はまだ中三でさ、月島にもキミみたいな可愛い彼女がいてね」
その時の月島先輩の彼女って―…思い浮かぶ女性はただ一人。
早く立ち去りたいのに話の続きが気になって、真剣に耳を傾けてしまっている。
「あの時の彼女とは別れちゃったみたいだけど、月島もさ、今はキミみたいな可愛いコと付き合えてるんだからさぁ―…」
そこまで言うと、私の腕を握る手に力を入れてくる宝条さん。
「三年前に俺がピアノも彼女もダメにしちゃったこと、チャラにしてもらってもいいよね?」