初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「どういうことですか……」
「どういう事って―…あぁ~…キミは何も知らないのかな?それは不味かったかなぁ」
私が興味を示すのを狙っていたくせに、そんなわざとらしい言葉を言ってくる。
「聞きたい?」
そう聞かれて一瞬、躊躇う私。
芹沢先輩の忠告がまた頭の中で繰り返される。
早くこの人から離れたほうがいい。関わらないほうがいい。
そう、わかってはいるのに足を動かせない。
そして、そんな私の心を見透かすような宝条さん。
「手が……いたい……です」
「ああ、ごめん、ごめん」
パッと私の腕から宝条さんが手を離す。