初めての恋に溺れる人魚~my first love~

「月島ってさ、あんな見かけしてんのにピアニストなんかしてたんだよねぇ。まぁ実際、相当なワルだったけどね。僕の持ってたチーム……まぁ、仲良し集団がいたんだけどさ、月島に潰されちゃってさ~」


キミにこの話がわかるかな~そんな目で私を見ながら話を進める。


「潰されちゃう僕らも悪かったんだけどねぇ~やっぱり月島一人に潰されたなんて悔しいし恥ずかしいでしょ?だから、面子を取り戻そうとしたんだぁ」


そう私に話しながら、制服のポケットから棒付きのキャンディを取り出して、それを片手でくるくるとまわし遊んだ後に口に入れる。


「そしたらさぁ、ピアノのお仕事が忙しくなったみたいで相手にされなくなっちゃってね」


キャンディーを舐めながら、まるで子どもの喧嘩の説明でもしているかのような口調で話し続けてる。



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