初めての恋に溺れる人魚~my first love~

そして、


「綾」


「っ」


「あのカノジョにもわるいことしちゃったなぁ~…」


私の反応を伺う様に宝条さんに視線をおくられる。

胸のざわめきが、また一層煩くなる。


「なんかさ、つい色々話しちゃったけどゴメンネ。引き止めて」


「……」


「あ、そうそう。良かったら月島達に伝えてくれるかな?」


伝える?一体―…


「何を―…ですか……?」


そう私が尋ねると、「そんなの決まってるじゃん」と宝条さんはまたニイッと笑顔を作った。


「暇ならまた遊んでよ、ってね」


そんな言葉の後、ガリッとキャンディーを噛み砕く音が聞こえた。


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