初めての恋に溺れる人魚~my first love~
次の日も、電話で言われた通り月島先輩は学校に来なかった。
見るからに元気のない私をいーちゃんが心配してくれる。
いーちゃんにどう説明していいか分からない私は、ただ、
「大丈夫」
と、笑顔を作るしかない。
芹沢先輩や小栗先輩も、〝いつものサボりだから”と明らかに私に気をつかって言ってくれてる。
ただ、月島先輩からの連絡を待つしかない。
学校からの帰り道。
いーちゃんと別れて、昨日と同じようにとぼとぼと一人歩く。
「じゃあ、今日も自主練という事で」
って芹沢先輩に言われたけど、正直、バンドやライブの事を考える余裕が今はない。
月島先輩に指示されたトレーニングメニューも前半で力が抜けてしまうし、唄も―…声がお腹から出て来てくれない。