初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「あの―…っ」
先に声をかけたのはアヤさん。
「先日、響と一緒にいた彼女さんですよね……?」
「は、はい……」
「すみません突然―…私、有岡綾と言います。少し、お話がしたいんですけど……いいですか?」
と柔らかな声で、だけど何処か思いつめたような瞳で、綾さんは私を見る。
「は、い……」
私は頷き、綾さんと近くの公園まで歩いた。
「「……」」
お互いにしばらく無言のまま、ベンチに座る。
「あの―…」
先に沈黙を破ったのは、やっぱり綾さん。
「あの、いきなり呼び止めてこんな事を聞くなんて、本当に申し訳ないんですけど―…響とは……もう長いお付き合いなんですか……?」
「私と月島先輩は―…まだ、そんなには……」
そんなには、というより、まだほんの数日の関係。
でも、ほんの数日なんて言いたくなかった。