初めての恋に溺れる人魚~my first love~

「そう―…なんですね―…あの、私の事は響は何か言っていましたか?」


「い、いえっ……でも、綾さんが月島先輩と以前付き合っていたことは―…知ってます」


今でも名前を出される程、月島先輩の彼女として認められてる存在だって事も。

近くで見ると、綾さんは本当に綺麗。

しかも、綾さんの制服はこの辺りで有名なお嬢様学校の制服。

確かに、漂う雰囲気に品の良さが現れている気がする。

複雑な気持ちで見つめていると、


「響はね、私の顔なんて見たくないと思う」


綾さんが表情を曇らせて呟いた。

見たくないって―…


「ど……どうしてですか……っ?」


つい、声に力が入ってしまう。


「あなたは―…三年前の事は知っていますか?」


「噂では少し聞いた事があります―…でも、詳しくは……」


「そうですか……」


話題は三年前の出来事の事になって、ますます綾さんの顔が曇っていく。



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