初めての恋に溺れる人魚~my first love~
きっと、もう連絡は来ない。
そんな覚悟と一緒に、月島先輩の背中を見送る。
「海音ちゃん、とりあえず響の家で俺と待ってよう」
小栗先輩が心配そうな表情で私の顔を覗き込む。
「すみません……」
「海音ちゃん?」
「あの、私……用事を思い出したので―…」
「用事……?」
「本当にすみません、失礼します……っ」
ペコリ、と小栗先輩にお辞儀をして、私も駆け出した。
目的地は何時もの場所。
蒼い海。
もう決心はついたから―…後悔はしない。