初めての恋に溺れる人魚~my first love~
とても激しくて、雨に濡れた砂まで舞い上げる。
「痛―…っ」
砂埃が目に入って痛い。
取らないと目も開けられない。
異物を出そうと自然と涙が零れてくる。
やっと痛みが取れた時、風はおさまって―…
「え……」
そこにさっき立っていたおばさんはいなかった。
誰も、いない。
その代わりにさっきよりも雨が強くなってる。
けど、どこかに雨宿り―…という考えは私ない。
もうこれだけ濡れたんだもの。今更、どこかに身を寄せたって仕方ない。
ユリさんにイメージチェンジしてもらってから持ち歩いてる手鏡を鞄から取り出して見つめる。
「埃―…とれたかな」
確認しようと手鏡を覗くと、そこに映るのは雨に濡れて風に巻き上げられて汚れてくたびれた私の姿。