初めての恋に溺れる人魚~my first love~
ぎゅっと、背中から暖かい温もりに包まれた。
「やっと―…見つけた」
「―…っ」
それは、もう間近で聞くことが出来ないと思っていた、
「つきしま―…せんぱ……い」
月島先輩の声。
じゃあ、私を優しく包んでくれている腕も―…
ゆっくり振り向くと、そこには月島先輩がいた。
「探したぞ―…」
息を切らして、学校の制服のままの月島先輩。
「綾さんは―…宝条さんは……」
どうなったの?
まさか三年前みたいに―…
そう思った瞬間に、
「つ、月島先輩は……っ?」
月島先輩の顔や手にケガがないか思わず確かめてしまう。