初めての恋に溺れる人魚~my first love~

そうだ。

私、学校のテラスで月島先輩が駆け出した時に、思わず叫んでしまったんだ。


「そ、それは―…」


あの時の事を思い出すと、月島先輩と綾さんのことを考えてしまって、


「それ―…は……っ……」


また、涙がこぼれてしまう。


「何で泣くんだよ」


「っ」


「俺は大丈夫だし、他の奴らも無事なんだぞ」


「だ、だって―…」


だって、私はもう―…


「もう―…っ、月島先輩は私のことなんて忘れてしまうんじゃないかって……綾さんと元通りになるんじゃないかって―…」


そう覚悟してたから―…

声を震わせて、私は言葉を口にした。



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