初めての恋に溺れる人魚~my first love~

「……」


どうして?どういうこと?

綾さんの事も今はもう前の様には思っていない、って言ってる。

さっき確かに私は、七つ目の願い事を唱えて人魚の粒もガラスの小瓶も海に投げ入れたのに―…


「ど、どうして、月島先輩は私の事を覚えてるんですか……っ?」


「はぁ?」


「綾さんと元に戻ったんじゃ……」


「さっきから繰り返し何言ってんだよ―…寝惚けてんのか?」


私が確認する程に月島先輩が呆れ顔になっていく。


「どうして―…?私―…」


こんな展開を考えてなかったから、かなり頭がこんがらがってしまう。

そんな私を、


「連絡取れないから心配しただろーが……」


また、ぎゅっと月島先輩が抱き寄せる。

夢?

ううん。夢―…

じゃない。


「しかも、こんなに雨に濡れて―…風邪ひくぞ」


「―…せんぱ……い」


私、今ちゃんと月島先輩の腕の中にいる。



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