初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「一つ、お前に黙ってたことがある」
「……?」
「本当は前から、浜辺で唄ってる海音を見てた」
突然の月島先輩の言葉に、
「え……?」
と、私は顔を上げた。
「俺もこの浜辺は好きで、時々来るんだ」
「先輩も……?」
「ああ。で、ある日何処からか歌声が聞こえるから―…何処からかと思ったら海面から顔を出してる岩の上」
「……っ」
「澄んだ綺麗な声だな、と思って、よくぼんやり聞いてた。そしたら、また自然とピアノも弾きたくなった」