初めての恋に溺れる人魚~my first love~
めちゃくちゃ下を向きながら古典の教科書を取って読んでみたりするけど、二人のカン高い声がダイレクトに耳に入ってきて、どうしても集中がそっちに行ってしまう。
でも、あの二人がそんなに騒ぐなんて、よっぽどカッコいい人達なんだろうな。
どうせ私なんて……私なんて……
って思っているから、同じ学年や先輩で誰がカッコいいとか、人気があるとか全くわからない。
高校二年になった今でもだ。
けど、それよりも……
早く先生来てくれないかな……
はぁ~と溜息をついたと同時に教室の扉が開いて、古典の先生がやってきた。
「先生、来たっ」
慌てて席に戻る前園さん。みんなも急いで自分の席へと戻っていく。
よかったぁ。
ホッとしてる私。