初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「も~海音、何回も携帯鳴らしたんだよ~?メールも返事ないし」
「えっ?」
そんな言葉に急いで鞄の中から携帯電話を取り出すと、いーちゃんからの着信履歴とメールが届いていた。
「ご、ごめん……あまり、携帯見たりしないから」
学校の中では常に鞄の底に入れられている私の携帯電話。
私に連絡をくれる相手なんて、本当に数える位で手の指の数で十分におさまる位。
パパ、いーちゃん。あとは……あとは……
うん。片手でも足りる。
携帯電話を持ったのだって、仕事で忙しいパパが一応持っておきなさい、と高校入学時に買ってくれたから。
そんな状態だから、私にとって携帯電話ってあまり使わないもの。