初めての恋に溺れる人魚~my first love~
一緒に教室を出て、一階まで下りて、購買横にある自動販売機で私はココア、いーちゃんはカルピスを買う。
そして、すぐ近くのテラスのベンチへと向かう。
「そう言えば、マロンに子犬が産まれたんだ~」
マロンは、いーちゃんが飼っているチワワの名前。
そう言えば、この間、そろそろ産まれそうって言ってたなぁ。
「え~見たい見たい」
マロンはいーちゃんの家に遊びに行くと、私にも寄ってきて懐いてくれる。
確か初産で、お母さんになるなんて、何だか感動しちゃう。
「写真あるよ。見る?」
「うん。見る見る」
いーちゃんは買ったばかりのカルピスに口をつけながら、空いた方の手でポケットから携帯電話を取り出す。
「ほら、見て~」
携帯の画像を見ると、産まれたばかりの子犬たちがマロンのお腹で寝ている写真だった。