初めての恋に溺れる人魚~my first love~
彼の顔を見て、思わず絶句してしまう。
切れ長の黒い瞳を持つ、とても整った顔立ちをしてる彼。
昨日から何度も私が思い浮かべていた顔。
今、私の目の前にいる人物は海辺で出逢った彼だ―…
しかも、私と同じ高校の制服を着ている。
「……」
突然の再会に立ち尽くしたままの私。
しかも、こんな情けない状況を見られてしまった。
恥ずかしさも混ざって、ますます言葉が出てこない。
私がそんな状況でいると、
「響ちゃーん、なぁにイラついてるのー?」
と割り込んで来た、別の男性の声。
「久々に登校してきたんだからさぁ、平和に行こうよ、平和に」
明るい茶色の髪に緩いパーマをかけた、いかにも遊び人っぽい甘いルックスの男子生徒が昨日の彼の側に近付いてきた。
「な?」
と馴れ馴れしく彼の肩に手をかける。