初めての恋に溺れる人魚~my first love~

「ではまず、我が秀海学園イチのプレイボーイって呼ばれてる芹沢陽先輩から。ほら、一番髪の毛の色が明るいヒト」


月島先輩の肩に手をかけてたヒト、かな。


「あの甘いルックスだからほっといてても女が群がるし、年下は高校生から年上は三十代のお姉サマまでとストライクゾーンは幅が広いの!基本、女性には凄く親切なんだけど、異性として相手をする場合はモデルやアイドル並みに可愛いコや綺麗な人ばっかりだとか―…まあ、ストレートに言うとかなりの遊び人みたい」


「遊び人……」


うん。確かに、ちょっとホストとかそういう類の雰囲気はあったかも……


「次は小栗光廣先輩。芹沢先輩よりも短めの茶髪の人ね」


芹沢先輩ってヒトよりも落ち着いた感じの……


「中学時代までサッカーをやってて、県大会優勝常連のチームにいたみたい。で、高校はヨーロッパにサッカー留学するっていう噂もあったみたいだけど、結局今はサッカーも辞めて代々経営している病院の跡取りになるために医大に入る準備してるとか。芹沢先輩と違って、女性関係はマジメで中学からずっと付き合ってる彼女がいるとかいないとか…」


スポーツしてそうな雰囲気はあったけど、医大とか、頭も良いんだぁ。

っていうか、進路の事まで知ってるんだ、ってビックリ。


「あ、芹沢先輩のトコは、お父さんがテレビ局のお偉いさんらしいの!」


と、補足を入れてくれる。どこで、そんな情報を入れてくるんだろう、いーちゃん。

そして次は、


「で、月島先輩はね……」


と、月島先輩の話を始めたから、ごくり、と、つい生唾を飲み込んでしまう。



< 86 / 421 >

この作品をシェア

pagetop