初めての恋に溺れる人魚~my first love~
波の音がする。
いーちゃんと別れた後、私はお気に入りの場所に来ていた。
水平線の向こうに沈みかけた太陽が見える。
月島先輩と出逢った、この場所で、手に握るのは真珠が入ったガラスの小瓶。
この真珠を投げる度に自分でも馬鹿らしいことをしている、って思ってはいるんだけど、一粒目も二粒目も願がった事が現実に起こってしまうから―…願わずにはいられない。
三粒目の真珠を取り出して、ぎゅっと握り瞳を閉じる。
瞼の裏に浮かぶのは、ここで出逢った彼の事。
月島先輩の事。
三つめの願い事を願わずにはいられない。
〝もっと彼に近付きたい”
願うだけなら自由だよね?
願いを込めた三粒目の真珠は、海の中に。