初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「あの、ちょっと助けてもらっ―…」
助けてもらっただけ、そう言いたかったけど、言い終わらない内に、
「何、それどういうコト!?」
と、ぐいっと顔を近付けて小谷さんが更に聞いてくる。
「わ、私がココアを三年の先輩の上履きにこぼしちゃって、お、怒られてたのを、月島先輩がたまたま助けてくれて―…」
私はしどろもどろに説明する。と、
「じゃあ別に月島先輩と元々知り合いとか、ナンパされたとか、そんなんじゃないってことね??」
と、確認してきたので、
「うん、も、勿論……」
と答えた。すると、いきなり笑い出した小谷さん。
「なーんだ、やっぱり。そうだよね~噂で月島先輩が浜崎さんと知り合いとか、ナンパしたとか、有り得ない話を聞いたから、ちょっと確かめたかったの。それだけ、それだけ~」
と、何だか今の説明で納得したみたい。そして直ぐに、
「マキ~聞いてよ~!」
噂の真意を伝えるべく、という感じで前園さんの席に行ってしまった。