わたしをみつけて


「親友だよ」


"親友"…?
私が由利の?


「え、ちょっといすみ、何で泣くの」


由利に言われて気がついた。
私は泣いていたのだ。


「ごめ…っ。なんか嬉しくて…っ」


嬉しい。
いや、そんな言葉一つで表せるほど簡単なものじゃない。
でもこの気持ちをどう表現したらいいのかが分からない。

涙が次々溢れてきた。


「マジ泣きじゃん。
もぉーいすみはすぐ泣くんだから」


ハンカチを渡してくれた。
呆れたような、だけど嬉しそうな笑顔で。


「ほんとありがとう…っ」

「どういたしまして」



この時、私達は親友になった。
友達だけどその中でも特別な存在。

私は由利の特別。

そう考えただけで顔がニヤけた。



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