わたしをみつけて
「そんな事があったのね」
「…うん」
最近の由利は少し変だった。
今日も…。
別れた時は元気になっていたけど、それは私がいるから気を使っていたのかもしれない。
やっぱり何か悩み事があったのかな。
由利だから大丈夫。
おかしい事にはもっと早くに気付いていたのに今日まで何もしてあげられなかった。
もっと早くに話をしていたら?
いや、それよりもどうして今日、携帯を取りに戻った由利に着いていってあげなかったのか。
もし着いていっていたのならこんなことにはならなかったかもしれない。
今さら後悔したところでどうにもならないことは分かっていたが、そうせずにはいられなかった。
そんな私の考えを見通してか
「いすみ、辛いのは分かるけどあなたが悪いわけじゃないのよ?
心配だけど今は無事に帰ってくることを信じて待ちましょう。
自分を責めたりしないで?」
母が優しく抱き締めてくれた。
私は溢れてくるものを堪えきれずに涙を流した。