わたしをみつけて


「ごめんね間宮さん」


美島さんは林さんが出て行ったのを見ると苦笑いをした。


「塔子、ほんとに由利のことが好きだったからかなりショック受けててね。
動揺してるの、許してあげて」


私は首を振った。


「大丈夫。それに私も思ってたことだから…」


自嘲気味に笑った。


「それは違うよ。
由利がいなくなったことに間宮さんは直接関係ないじゃん。
それにそんな風に思ってても由利は帰ってこないよ。自分が悲しくなるだけ」


その言葉にまた泣きそうになった。
ほんとは誰かにそう言ってもらいたかったのかもしれない。


「じゃあ私、塔子が心配だからそろそろ行くね。
あまり思いつめちゃ駄目だよ」


美島さんはふわりと笑うと教室を出て行った。

お母さんにも同じこと言われたっけ…。

由利の席をもう一度見る。
当然、由利はいない。

``そんな風に思ってても由利は帰ってこないよ``
``信じて待ちましょう``

そうだよね。
こんなことしてても由利は帰ってこない。
だったら今は私に出来ることをしよう。


「よし」


誰もいない教室で一人呟き教室を出た。



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