わたしをみつけて
鏡から放たれる強い光。
光はまるで生きているかのようにグネグネと移動し、私を囲みまとわりついてくる。
身体がくるくると回る感覚に襲われた。
まるで小さなボールの中で転がされているかの様な。
「うっ…」
強烈な吐き気がした。
視界が霞む。
段々と薄れていく意識の中、
「ねぇ、わたしをみつけて」
はっきりと聞こえた声。
その声を最後に、私は意識を手放した。
「……み」
「…すみ」
誰?
誰か私を呼んでるの?
「いすみ!」
「お母さん…?」
「いすみ!
よかった、気が付いたのね」
目を開けた時、真っ先に飛び込んできたのは白い天井だった。
隣には目を腫らした母がいる。
「ここは病院?」
「そうよ。
あなた学校で倒れてたのよ」
「学校で?」
「ええ。なかなか鍵を返しに来ないから先生が見に行って下さったのよ。
もうびっくりしたわ。先生から連絡があって慌てて病院に行ったら青い顔して寝てるんだもの。汗びっしょりで身体も冷たかったからほんとに心配したんだから」
「ごめんなさい」
「無事でよかった。
お母さん先生呼んでくるわね」