わたしをみつけて
コンコン
「いすみさん、入りますよ」
「えっ!?」
ガラッ
「どうかしましたか?」
「い、いえ…」
咄嗟に携帯をベッドの中にしまいひきつった笑顔を浮かべた。
先生な怪訝そうな顔をしながら聴診器を当てはじめた。
その様子を後ろで母が見守っている。
「落ち着いていますね。熱もありませんし大丈夫でしょう」
「そうですか!
よかった。ありがとうございます先生」
「念のため今日は入院して下さいね」
点滴の袋を変え、先生が病室を出ていく。
「よかったわ。お母さん安心しちゃった」
「うん」
「いすみ、お母さん家の事ほったらかしにして来ちゃったから一旦帰ろうと思うんだけど大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「朝には迎えに来るからね」
「ありがとう」
母を笑顔で見送り、足音が聞こえなくなったのを確認するとベッドの中から携帯を出した。