わたしをみつけて


パニックだった。


どうしよう、何て言ったらいいの?
聞かれるなんて思ってなかったから何も考えてなかった…。
でも何か言わないと…っ。


少し視線をずらすと由利以外の皆の視線も私に向いていることに気付いた。
迷惑そうな顔で私を見ている。
私は再び下を向いてしまった。


「ぁ…あの。わ、私は…。その…」


顔が熱い。赤くなっているのが自分でも分かる。
何か言わなきゃとは思うのだけど、考えれば考えるほど焦ってしまって言葉が出ない。


「あ、あの、ごめんなさい…」


もう泣きそうだ。


「いいよ、大丈夫、落ち着いて。
そんな難しく考えなくていいんだよ?
ここいいなぁとか、ここなんか気になるって思った所を言ってくれたらいいから」


そう言ってニコリと微笑む由利。
不思議と少し、気持ちが落ち着いた。

パンフレットを見る。
 
有名なパワースポットや建築物、お洒落なお土産物屋さん。
色々のっていたけど、私の目に留まったのはパンフレットの端っこの方に申し訳なさそうに小さくのっていた神社だった。


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