わたしをみつけて


「いい風あるね」


林さんは手を上にあげて大きく伸びをした。
髪が風になびいてそうしているだけで絵になる。


林さんを追いかけて着いたのは屋上だった。
昼休みや放課後には鍵が開けられていて自由に出られるようになっている。

今もお昼ご飯を食べている生徒がなん組かいた。

屋上に来るような用が無かった私は初めての場所だ。


「それで?話って何なの?」


フェンスにもたれながら林さんが聞く。


そうだ。
その話をしに来たのだった。
頭の中を整理する。


「あの、昨日メールが届きませんでしたか?」

「はぁ?」


何の事だか分からないというような顔をする林さん。

美島さんも不思議そうな顔をしている。


「メール?誰からよ?」

「そ、れは…」


私はどうしたらいいのか分からなくなってしまった。

それだけ言えば伝わると思っていた。
だが二人ともピンと来てないようで。
もしかしたらメールは来ていないのか。



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