わたしをみつけて


「あんた何なの!?
こんなことして楽しいの!?」

「ち、違う…っ。
私はただほんとのことを…!」

「どうせあのメールも偽物なんでしょ!」


もう何を言っても林さんには聞こえていない。


頭が真っ白になった。


こんなつもりじゃなかったのに。


そう簡単に信じてもらえるとは思っていなかった。
だけどこんな風になるとも思っていなかった。


「こんな話するために呼び出したの?最低!
もういい、行こう円香」


林さんはヅカヅカと音をたてながら校舎へ入る扉へ歩き出した。


私はもう何も言わなかった…言えなかった。


もういい?
こちらだってそうだ。

きっと他の人に話しても信じてなんかもらえない。

だったらもういい。
私一人でも由利を見つけて見せる。


林さんはもう扉の前に立っていた。
そこで美島さんがついてきていないのに気がつき振り返った。


「円香?」


返事は無い。
美島さんは私の携帯をじっとみていた。


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