わたしをみつけて


「怖い?何が」

「都市伝説の女の子。
もしかしたら本当かもしれない。
そう思ったから怖くなったんでしょ?」

「冗談。
私はただ馬鹿らしいだけ。そんなのただの作り話よ」

「強がりはよくないなぁ。
だって塔子は昔から怖がりだもんね。
去年の夏祭りの肝試しの時だって…」


その言葉を聞いた途端、林さんの顔が赤くなった。
扉をバタンと閉め、大きな足取りで美島さんへと詰め寄った。


「あれぇ?
なんかまずいことでも言ったかな?」

「あれは!
その、いきなりだったからちょっとびっくりしただけよっ」

「あ、そうなんだ。
じゃあ去年の文化祭のお化け屋敷で…」

「ああああっ!!」


顔を真っ赤にして話を遮ろうとする林さん。

普段とは全く違う一面をみた私は目が点だった。

林さんにもこんな一面があるんだ。
なんか可愛いかも。


「なんだか今日は余裕が無いですね塔子さん」

「いい加減にしないとそろそろ怒るよ…っ」

「じゃあ行く?」

「…」

「あ、そういえば塔子は雷も…」

「ああああぁ!!
分かったわよ、行けばいいんでしょ!」



< 52 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop