わたしをみつけて
「怖い?何が」
「都市伝説の女の子。
もしかしたら本当かもしれない。
そう思ったから怖くなったんでしょ?」
「冗談。
私はただ馬鹿らしいだけ。そんなのただの作り話よ」
「強がりはよくないなぁ。
だって塔子は昔から怖がりだもんね。
去年の夏祭りの肝試しの時だって…」
その言葉を聞いた途端、林さんの顔が赤くなった。
扉をバタンと閉め、大きな足取りで美島さんへと詰め寄った。
「あれぇ?
なんかまずいことでも言ったかな?」
「あれは!
その、いきなりだったからちょっとびっくりしただけよっ」
「あ、そうなんだ。
じゃあ去年の文化祭のお化け屋敷で…」
「ああああっ!!」
顔を真っ赤にして話を遮ろうとする林さん。
普段とは全く違う一面をみた私は目が点だった。
林さんにもこんな一面があるんだ。
なんか可愛いかも。
「なんだか今日は余裕が無いですね塔子さん」
「いい加減にしないとそろそろ怒るよ…っ」
「じゃあ行く?」
「…」
「あ、そういえば塔子は雷も…」
「ああああぁ!!
分かったわよ、行けばいいんでしょ!」