わたしをみつけて
林さんは半ばやけくそ気味に叫んだ。
それをみた美島さんはいつも通りの笑顔を浮かべると私をみた。
「よし、これでOKだね。
間宮さん、今日の放課後大丈夫だよね?」
今のをみた後で誰が無理だと言えるだろうか。
美島さんはともかく、林さんには一生恨まれるくらいの勢いだ。
もし塾があったとしても休んでこちらを優先していただろう。
まぁ今日は何の予定も無いのだが。
それに由利の命がかかっている可能性だってある。
断る理由は無かった。
「だ、大丈夫です」
「よし、じゃあ決まりだね。塔子、逃げちゃだめだよ」
「逃げないわよ!」
キーンコーンカーンコーン
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
「やばっ。次の授業数学じゃなかった?」
「急いで戻ろう!」
数学の先生は時間にうるさい。
少しでも遅れるとペナルティとしてプリントを渡されるのだ。
私達は顔を見合わせると慌てて屋上を後にした。