わたしをみつけて


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放課後。

私達三人は学校の近くにあるショッピングセンターに来ていた。

昨日女の子に会ったのは多分、六時四十分くらい。

何時に出てくるとかそんなことは分からないが、少なくとも吹奏楽部の演奏や運動部の元気な声が聞こえているうちは無理だろう。

そこで、時間を潰して六時半くらいになったら戻ってこようという美島さんの意見に従い、今に至る…わけなのだが。

「…」

先程から三人とも特に会話と言った会話をしていなかった。

ただぶらぶらと歩いているだけ。


この二人は普段からこうなのだろうか。
それとも私がいるからか。


話しかけられたら話しかけられたで戸惑うと思うが、この雰囲気もなかなかに気まずかった。


「おっ。塔子に円香に…間宮さん?
珍しい組み合わせだな」


聞き覚えのある声がした。
見れば少し前の方に同じ制服を着た男子が二人立っている。


「潤に遥斗じゃん」


そう。
同じクラスの岸本潤くんに佐田遥斗くん。
メールに名前が載っていた二人…。



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