わたしをみつけて


岸本くんと佐田くん。
二人の顔は完全にひきつっていた。

それを見ていた林さんがまた始まった、と言うようにため息をついた。


「いいから付き合いなさい。ゲームより楽しいかもしれないわよ」

「何するんだよ」

「都市伝説を確かめるのよ」

「都市伝説?」


二人は首を傾げている。


「あんた達も知ってるでしょ。放課後に出る女の子の噂。
その女の子に間宮さんが昨日会ったんだって」

「まじで!?」


二人の視線が私に集まる。
私は少し顔を赤らめながら頷いた。


「すげぇ。まじだったんだ、あの噂」

「それを確かに行くの」

「でもゲームがなぁ…」

「行くよね?」

「勿論です!」


美島さんの笑顔の一言。
それを見た岸本くんは即答したのだった。
背筋をピンと伸ばし敬礼のポーズまでしている。


「よし、頑張れ潤!
ゲームは俺に任せて…」

「遥斗くん?」

「…冗談です」


佐田くんも美島さんの笑顔には勝てないようだ。


私はその光景を内心、冷や汗を流しながらみていた。

普段は優しそうに見える美島さんだが、敵に回してはいけない人ランキングでは林さんよりも上だろう。

気を付けなければ。



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