わたしをみつけて


ファミレスで時間を潰すこと数時間。
店の外では帰宅途中のサラリーマンがちらほら見えるようになっていた。


「そろそろだね」


美島さんが時計を見て呟いた。
時計の針は丁度、六時を指している。


私達は誰かともなく席を立つとお金を払ってファミレスを出た。














「まだ全然暗くないけど雰囲気あるな」


佐田くんが校舎を見上げて言った。

時間は六時十五分。
昨日より少し早い。


「女の子にはどこで会ったの?」

「えっと…」


記憶をたどる。
あの時はパニックを起こしていて詳しい場所までは覚えていないが、確か階段を一回も降りなかった。


「三階です」

「私達の教室がある階だね」


美島さんも佐田くんと同じように校舎を見上げる。

ちらほらといた部活帰りの生徒達もいなくなり、校門にいるのは私達だけになった。



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