大切な僕の思い出




突然遊ぼうと言い出した奴が俺の隣で今幸せそうな顔でクレープを食べている
よくそんな甘い物が食えるなと思いつつ俺はこいつの後をついて来ている




服装はと言うと、奴は制服だ
何も学校の帰りに家に来たらしい
ついでにコンビニであのボロ菓子を買ったんだと




俺はと言うと何故か俺も制服
こいつが勝手に決めた




「制服デートしてみたかったんだ!」




そう言うことで制服に着替えた
こいつは俺のなんなんだって思ったがまぁ考えるのもめんどうなので制服に着替えた




「ねぇ、黒神君は何か食べないの?」




「俺はさっき食べたからいらない」




「そっかぁ…黒神君って本当に本が好きだよね」




「…」




「本ってそんなに面白い?」




「面白いとは思わない」




「そうなんだぁ…あっ!たこ焼きも売ってるよ!」




こいつはさっきから食べてばっかりだ
そのくせ太らないし身長も伸びてない
なんなんだ



そして俺をいちいち誘う必要あったのか?
あぁ、早く家に帰って本が読みたい




「たこ焼きも買えたし、今日はこの辺で帰ろっか」




こいつは食べ物を買いに来たのか
クレープとたこ焼き買って終わりか
なんで俺まで来る必要があったんだよ




「花宮の家まで送るよ」




なんで俺がこんなこと言わなきゃいけないんだ!
めんどくさい
まぁ言ってしまったんだから仕方が無い
送るか




「黒神君の笑ってる顔見たかったんだけど今日も失敗かぁ…」




「…」




「あ、私黒神君の家のちかくなんだよ?」




だからなんだ




とずっとこいつが1人で喋ればもう家の前に来て俺は驚いた
こいつの家ってうちの前じゃねぇか
近いどころの話じゃねぇ!
あー、もう鬱陶しい




送ると言うより帰り道だった訳だ
おかしいなとは思ってたんだよ
これから滅茶苦茶困るわ




幼馴染じゃなくて良かったわ
もうそれだけが唯一の救いだわ
それにしてもめんどくさい




俺はあいつを送って家に入り今日一番のため息をついた
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