大切な僕の思い出




「おはよう、母さん」




「あら、おはよう、顔洗って来な?」




「そうだよ、早く顔洗って学校行く準備しな?」




「うぃー…」




俺は今日何故か早めに起きて顔を洗った
若干違和感があったものの気のせいだと思い二階へ上がり、制服に着替えて、スクールバッグにジャージと筆記用具、昨日読めなかった本を入れて下に行った





俺の違和感はやっぱり間違って無かった
母さんと一緒にキッチンに立ってる女がそこに居た
見間違いじゃなければ花宮だ
おかしい、何故こいつが平然とうちのキッチンに立ってやがる




「…」




「こう言う娘欲しかったのよー!」




「本当ですか?ありがとうございます!これから毎日手伝いに来ますね!」




「本当!ありがとう!助かるわ!」




「……………」





俺はあえてつっこまないことにした
つっこんだら朝から体力使う羽目になる
それに母さんが助かるならこいつは必要だ
母さんがいいなら俺は何も言うことはない




「今日お母さん残業あるから帰るの遅くなるわ」




「分かった」




「だから朝も帰れないと思うから、雫ちゃんに合鍵渡しておくね?」




「え!いいんですか?」




「これからも手伝ってくれるなら必要でしょ?」




「嬉しい!ありがとうございます!」





「それと、チャイムいちいち鳴らさなくてよくなるしね!」




「…」





不愉快だ
不愉快過ぎて何も言えない自分がそこには居た
母さんはなんか目が輝いてるし
こいつもこいつでウキウキしてるのがわかるし




実に不愉快だ




まぁどうでもいい
俺は朝食を食べ終え、母さんに行って来ますと告げて俺は玄関へ向かった
途中待ってと聞こえたが無視だ
めんどくさい




と言うことで朝の登校に平然と俺の隣を歩く女がそこには居た
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