destiny
「あれ、夏目さんたちじゃん。ん?大樹顏赤くしてどうしたの?」
「いや・・・。」
「もしや夏目さんのこと・・・?」
言い当てられますます顏が火照る。
「え!まじ?図星?」
「まぁ、うん。」
恥しくなり俯く。
「まあ、美人だしな。そうかそうか、大樹がねぇ。」
翔はにやついて、茶化す。
「もうやめろよ。」
「いやぁ、ついに大樹にも春がきましたか。」
「まじでやめろ。」
「俺は香奈ちゃんの方がいいけどね。」
「は?誰だよ。」
「ほらあの、夏目さんの隣にいるショートボブの子。」
翔の言う子は、ピンクの浴衣を着ていて、背が低く、可愛いいかんじの子だった。
「翔はあの子が好きなのか?」
「まあ好きっつーか・・・」
翔の顔を見ると、ほんの少し赤い。
「へぇ。」
「茶化すなよ。俺わりと香奈ちゃんに本気なんだから。」
「俺だって本気だよ。」
二人で顏を合わすと、お互い赤くなっていて、思わず笑いあう。