図書室の白川さんー星ヶ丘高校絵巻ー
突然、話しかけてしまったせいか、

そいつの顔が、さあっと赤くなった。

表情を強張らせたまま微動だにしない。

手に持っていた原稿用紙らしきもの

をぎゅっとにぎりしめている。


えっと…



オレと彼女の間に気まずい沈黙が


落ちる。



「何…やってんのかなって。

たまたま通りかかったら声が聞こえてさ。」



言い訳がましく、言ってみる。

声のトーンがさっきより低くなって

しまったのは、致し方ない。
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