図書室の白川さんー星ヶ丘高校絵巻ー
眠くて仕方なかったが、


オレはなんとか午前中の授業を乗り切った。


オレは鞄にしまっていた、巨大な弁当箱を取り出す。


かーさんの弁当はうまい。


朝はあんなにイライラしていたのに


卵焼きはすごく丁寧にまかれている。


甘さ加減も絶妙だ。


巨大な弁当箱は、しかしあっとゆー間にからっぽになる。


腹ペコ男子には、これでも物足りない。


「しゅうちゃーん、オレ牛乳買ってくるわ。」


「おう。」


秀真は、から揚げらしきものを頬張りながら手をあげた。


購買に行けば、パンもまだ残ってるだろうけど


牛乳で我慢しておく。


オレの教室は一階で、自動販売機のある中庭にすぐに行ける。


オレは、それがとても気に入っている。


渡り廊下に出ると、強烈な日差しがさんさんと降り注いでくる。


「あつっ。」


思わず、声に出る。


もう夏じゃん…。


しかめっ面で、空をふり仰ぐ。


ふと、反対側の校舎の三階、一番はじっこが目に入る。


図書室。


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