図書室の白川さんー星ヶ丘高校絵巻ー
オレは時々、図書室以外でも白川さんを見かけるようになった。
見かけるようになった、というのは
今までだって、もちろんすれ違ったことはあるのだろうけど
まさに、秀真が言うとおり
彼女は空気なんじゃないかと思うほど、存在感がなく
地味で、目立たない。
だから、今まではオレは彼女の存在すら知らなかった。
暗いところで、目を凝らしてやっとその存在がわかるように
オレは、最近やっと白川さんをみつけることができるように
なったんだ、と思う。
たいてい白川さんは一人で、廊下のはじっこを
つんのめるんじゃないかと思うほど前かがみの姿勢で
すごいスピードで歩いている。
書架を歩く時の、あのすっすっとした感じじゃなく
なんか、こう鬼気迫る感じ?
話しかけてはいけない雰囲気すらある。
でも、オレはそんな白川さんに
「おーい。」
と手を振る。
白川さんは、びっくりしたように伏せていた顔を
あげると、ちらと視線だけこちらに寄越す。
ちょっとだけ、うなづくみたいに頭を下げると
もう、すごいスピードでオレの前を去っていく。
体育が終わったあととか、
たまたま廊下ですれ違ったりとか
オレは懲りずに手を振ってみる。
見かけるようになった、というのは
今までだって、もちろんすれ違ったことはあるのだろうけど
まさに、秀真が言うとおり
彼女は空気なんじゃないかと思うほど、存在感がなく
地味で、目立たない。
だから、今まではオレは彼女の存在すら知らなかった。
暗いところで、目を凝らしてやっとその存在がわかるように
オレは、最近やっと白川さんをみつけることができるように
なったんだ、と思う。
たいてい白川さんは一人で、廊下のはじっこを
つんのめるんじゃないかと思うほど前かがみの姿勢で
すごいスピードで歩いている。
書架を歩く時の、あのすっすっとした感じじゃなく
なんか、こう鬼気迫る感じ?
話しかけてはいけない雰囲気すらある。
でも、オレはそんな白川さんに
「おーい。」
と手を振る。
白川さんは、びっくりしたように伏せていた顔を
あげると、ちらと視線だけこちらに寄越す。
ちょっとだけ、うなづくみたいに頭を下げると
もう、すごいスピードでオレの前を去っていく。
体育が終わったあととか、
たまたま廊下ですれ違ったりとか
オレは懲りずに手を振ってみる。