図書室の白川さんー星ヶ丘高校絵巻ー
「あれー、しゅうちゃんと

みつるじゃん。」


ガラっと扉が開いて

さらさらヘアをなびかせながら

女子が二人、入ってきた。


テニスラケットを抱えた二人は、

スコートからスラリとした足を

惜しげもなく出している。



「何してんのー?」

「部活さぼりー?」


女の子たちが口々に質問する。



「今ねー、ミツルくんが鬼畜だっていう話をしてたのよー。」



秀真がふざけた調子で言う。

オレは、いやいやいやと否定した。



「秀真くんには負けますわって話をしてたのよー。」



オレもふざけて言うと

女の子たちは、はじかれたように笑う。


さらさらヘア、なびかせちゃって。

今から部活じゃないわけ?括んなくて大丈夫?


かわいーから、いいけどさ。


色も白いよね?本当にテニス部?


いろんな疑問はあるが

わざわざスコートに着替えて教室に戻ってきた、


彼女たちの打算を、オレはかわいく思う。



ミニスカ、ばんざい。
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