図書室の白川さんー星ヶ丘高校絵巻ー
体育館裏に行くには、一度下足に履き替える必要がある。


オレはいそいそと下駄箱で靴に履き替えて、外に出た。


初夏の日差しがアスファルトに照り付けている。


暑い、もしくは熱いか。


だらしなくあけた胸元にぬるい風が吹き込んできて、

なんだか全身が湿っているようで気持ち悪い。


それにしても女ってすげーよな。


オレはみすずの、ふわふわとした茶色の髪の毛を思い出す。


体育館の裏。


付き合ってすぐ、オレはみすずと

そこでヤった。



ちょっと早すぎたかなー。

強引だったかなー。



と、最中に反省していたら、


終わったとき、みすずが泣いた。


泣かせちゃった、と申し訳なく思っていたけど

その次からは彼女の方から、オレを誘ってくるようになった。


それからなんとなく



体育館の裏=ヤる。



みたいになってる。


初体験が体育館の裏ってどうよ?


オレはトラウマになってんじゃないかって

少し心配したけど、どーやらそうでもないらしい。



女って強い。



白い首筋に、赤い跡をつけることを想像すると

血液が勝手に下半身に集中していく。



下駄箱付近には生徒たちがたくさんいる。


ここじゃ、まずいでしょ。

めっ。



オレは秀真の真似をして、心の中でつぶやいた。



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