ダ イ ス キ
第1章
高校2年~春~
「春休み明けテスト返すぞー」
ーーーーー4月。
2年生に進級して、2週間がたった。
そして今は、皆が眠い5限の時間で……数学。
「……飯山」
「はい」
「……お前は俺が嫌いか?」
「いいえ?」
「じゃあ、なんで数学だけ赤点なんだ?」
「先生の教え方が悪いからじゃないですかね?」
「お前なぁ~……ケンカ売ってんのか?」
「いいえ?」
飯山奈都(イイヤマ ナツ)。
先生とにらめっこ真っ最中です。
「…………放課後、補習な」
「はい。数学準備室ですか?」
「あぁ……今日は俺、早く帰りたいからな?」
「先生次第じゃないですかね?」
「……………………よし、次。上原ー」
私はテストを受け取り、自分の席に座った。
女子のなかでは出席番号1番な、私は教壇の目の前の席。