記憶をなくしたピアニスト

窓から覗く外は、

ひどく禍々しい色の月が覗いていた。



『…蒼?蒼!!早く、早くしろ!!』


急に鍵盤に触れていたはずの
両手が空を切って止まる。




音が空間から消えて。





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