記憶をなくしたピアニスト

俺よりも、ずいぶんと小さな手ではあるのに、
見事、水の動きをあらわしていて。


楽しそうだ。

俺の目は、
その手元――……そこから奏でられる美しい音に、

釘付けになって、
のめりこんでいて。

気づけば、一目で惹かれていたのだ。
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