記憶をなくしたピアニスト
それでも、俺は

この白と黒しかない棒を
叩き続けてしまうんだ。

弾いていたい って、
思うんだ。

ふと、大きな時計のふりこは、
いつもよりも早く、波打って…。

揺れている?

俺が?

いや、違う―……。



何かを感じる

強く

嫌な予感を。


それは とてつもなく

冷酷で

悲惨なもので。
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