自由奔放な恋愛達

家へ帰ったあたしは、
どうやって翔ちゃんに伝えたのだろう。
ママが伝えてくれたのだろうか。

もう自分が自分でいられる自信なんかなかった。
泣いているしかできなかった。

翔ちゃんが

「愛、今回はしょうがないよ」

「しょうがないなんて簡単に言わないでよ!!」

「俺だって思ってないよ。でもどうにもできないのは確かだよ。
愛、当日俺が行くから。悲しい事も辛い事も二人で乗り越えよ?」

「翔ちゃん...」

「そのために俺がいるでしょ。
愛は一人なんかじゃないよ、俺がいる」

「ありがとう...」

翔ちゃんはぎゅーっと強く抱きしめてくれた。


それからはみんなその話題を避けるようになった。
逆にそれがよけい傷ついていく気がした。


「愛、明日お休みもらってきたからね」

「ありがとう...」

「俺がそばにいてあげるから、心配するな」


いつだって翔ちゃんは優しい。
でも今はそれがよけいにツライ...
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