自由奔放な恋愛達
映画さながらのカーレースの始まりだ。
翔ちゃんも後ろの車の異変に気づいたようで逃げようとしている。
「この道こっち側にいて。そしたら狭くてでこぼこの道に出るから止められる!」
「わかった!!」
翔ちゃんの車は車高が低いし、エアロがるから
でこぼこ道ではゆっくり走るしかないのだ。
未央は頼もしかった。
ゆっくり走るしかない翔ちゃんの車を追い越し、
翔ちゃんの車の前に付け停止した。
狭い道だから横を抜けれず翔ちゃんの車も止まるしかない。
あたしは車を降りて、携帯で現場の写真を押さえると
翔ちゃんがめちゃくちゃ大事にしている車のサイドを
ヒールで思いっきり蹴ってやった。
怒って降りてこようとする翔ちゃんを無視して
未央の車に戻りさっさと帰っていく。
「現場押さえたね。愛、どうするの?
別れるなら許して続けてく?離婚する?」
「...まだわからない。今日話し合いしてみるよ」
「そうだね。愛の納得いくようにやった方がいいよ。いつでも味方だからね!!」
「ありがとう」
未央に家まで送ってもらい、ママに今回の話をした。
ママは何度も何度も
「うちの翔哉がごめんなさいね」
と、言っていた。
翔ちゃんの車の音がする。
ここからが本当の勝負だ。