タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
はああぁぁぁっ!!?


「あたしが同行!? それってどういう意味!?」


思わず本性丸出しの言葉遣いで叫んでしまった。


「意味? スエルツ王子に従って、共に道を進・・・」


「『同行』の単語の意味を聞いてるんじゃなくって!」


なんであたしが、探索隊に同行しなきゃならないのか!? って聞いてんの‼


顔を引きつらせるあたしに、姫がまたケロケロ~っとした顔であっさり答える。


「わたくしがあなたにシンパシーを感じたからですわ」

「あ・・・あのねぇ・・・!」


あたしは頭を抱えてしまった。


あぁ、やっぱり王位継承問題に引きずり込まれちゃった!


この姫、あたしをガッチリ抱え込んで放さないつもりだよ!


お願い、すっごい迷惑だから、その手ぇ放して!


それに・・・


「スエルツ王子がもし本物を見つけちゃったりしたら、どうするんですか?」


その可能性はゼロではないよね?


どうすんの? まさか王子の隙を狙って、かっぱらって来いって?


無理! あたしはね、清く正しい奴隷人生を送ってきたんだから。


そんなコソドロみたいな真似、やったことない!


それとも、ことごとく探索の妨害工作をやれとでも?


そんなんどっちも無理無理!


あたしそんな器用じゃないよぉ!


「どうもしませんわ。スエルツ王子が秘宝を見つけたなら、それはそれですわ」


「・・・へ? い、いいの? 見つけちゃっても」

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